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2024年 11月 26日

ドライノーズの原因や治し方は? 鼻が痛い、鼻血が出る

乾燥した鼻「ドライノーズ」をご存知ですか?

この症状は、鼻の粘膜が乾燥することで痛みや不快感を引き起こし、時には鼻血を伴うこともあります。特に冬場の乾燥した空気や暖房の影響を受けやすい時期には、ドライノーズの発症リスクが高まります。また、症状を放置するとさらに悪化し、健康に影響を及ぼすこともあるため、早めの対策が重要です。

本記事では、「ドライノーズの原因と考えられる疾患」について紹介します。鼻が乾燥する・鼻が痛い・鼻血が出るなど、鼻の症状がある方にとって少しでもお役に立てればと考えております。

この記事を書いている人
倉敷小山耳鼻科アレルギー科 副院長
小山 貴久(こやま たかひさ)
(資格)
・医学博士
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
・日本アレルギー学会 専門医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 補聴器 相談医

ドライノーズとは?

ドライノーズ(鼻乾燥)とは、鼻の中の粘膜が乾いている状態のことをいいます。この状態になると、鼻の中に痛みや違和感を覚えたり、鼻血が出ることがあります。気温の変化や乾燥した空気の影響で一時的に粘膜が乾燥することもありますが、ドライノーズには別の原因が隠れている場合もあります。

例えば、急性・慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、萎縮性鼻炎など、鼻に関連する病気が原因となることがあります。これらの病気が関与している場合、症状が慢性化したり、粘膜がさらにダメージを受ける可能性もあります。ドライノーズの症状が続く、または悪化する場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

ドライノーズの原因とは?

ドライノーズの原因は、主に外的要因と内的要因が絡み合うことで発生します。

⚫︎外的要因として最も顕著なのが、「空気の乾燥」です。

冬場に暖房が効いた室内や、湿度の低い外気にさらされることで、鼻の粘膜が水分を失いやすくなります。また、空調の使用が長時間に及ぶ職場や住環境では、室内の湿度が低下し、粘膜が正常に機能しなくなることがあります。このような環境では、塵やアレルゲンが空気中に浮遊していることが多く、これがさらなる刺激となり、鼻の乾燥を悪化させることも少なくありません。

⚫︎内的要因には、「体の変化」や「特定の疾患」が関与しています。

年齢を重ねると、体内の水分保持能力が低下し、鼻の粘膜が乾燥しやすくなります。また、ホルモンバランスの変化や、特定の薬剤の使用も影響を与えます。抗ヒスタミン薬や血管収縮薬は鼻粘膜を収縮させるため、一時的な効果をもたらす一方で、長期的には粘膜の乾燥を引き起こす可能性があります。さらに、全身の健康状態が鼻に影響することもあり、栄養不良や脱水状態が原因でドライノーズを悪化させるケースも見られます。

ドライノーズになりやすい人の特徴

鼻炎や花粉症を持っている人、乾燥した環境で長時間過ごすことが多い人、また口呼吸をしやすい人は、ドライノーズになりやすい傾向があります。さらに、鼻の粘膜が分泌する潤いは自律神経の働きに影響されるため、自律神経が乱れることで分泌量が減少することがわかっています。そのため、ストレスや不安を抱えている人もドライノーズを発症しやすくなると言われています。

ドライノーズの二次的なリスク

ドライノーズは単なる一時的な不快感にとどまらず、放置するとさらなる健康リスクを引き起こす可能性があります。粘膜が乾燥すると防御機能が低下し、細菌やウイルスが侵入しやすくなります。この結果、風邪やインフルエンザといった感染症にかかりやすくなるだけでなく、鼻腔内の慢性炎症や副鼻腔炎を誘発することもあります。

また、粘膜が乾燥して脆くなると、鼻血が頻発することがあります。特に小さな刺激で血管が破れやすくなるため、くしゃみや鼻をかむ際に出血しやすくなるのです。さらに、乾燥が長期間続くと、粘膜が萎縮して再生能力が低下し、治療が困難になるケースも報告されています。

可能性のある疾患とは?

ドライノーズは単なる乾燥による不快感だけでなく、特定の疾患の兆候として現れることがあります。

アレルギー性鼻炎は、ドライノーズの原因としてよく見られる疾患の一つです。ハウスダストや花粉、動物の毛などのアレルゲンに反応することで鼻粘膜が炎症を起こし、乾燥感やかゆみが発生します。これに加えて、透明な鼻水やくしゃみといった典型的なアレルギー症状が伴うことが多いです。

副鼻腔炎も原因の一つです。この疾患は、副鼻腔内の粘液が正常に排出されずに炎症を起こし、鼻全体の乾燥感を悪化させます。慢性化すると鼻詰まりや圧迫感を伴い、日常生活に大きな影響を与えることがあります。ドライノーズによる鼻粘膜の乾燥やダメージは、鼻腔内の防御機能を低下させます。この状態が長期間続くと、鼻腔内の細菌やウイルスが増殖しやすくなり、炎症が副鼻腔にまで広がることで副鼻腔炎を引き起こす可能性があります。

萎縮性鼻炎(いしゅくせいびえん)は、鼻腔内の粘膜や鼻甲介(びこうかい)が萎縮し、鼻腔が広がり過ぎる状態になる慢性疾患です。この状態では、鼻粘膜の分泌機能や防御機能が低下し、乾燥や感染のリスクが高まります。また、鼻腔が広がることで、悪臭を伴う鼻汁(鼻臭症)や鼻の通りが良すぎる感覚を感じる場合があります。ドライノーズの状態が長期間放置されると、粘膜がダメージを受けて萎縮することがあり、萎縮性鼻炎に発展する場合があります。

ドライノーズの予防

ドライノーズを改善するためには、日常生活における対策が重要です。まず、環境面での改善を図りましょう。加湿器を活用して室内の湿度を50~60%に保つことで、鼻粘膜の乾燥を防ぐことができます。また、こまめに換気を行い、新鮮な空気を取り入れることも有効です。冬場は暖房の使用が避けられないため、その際は加湿器や濡れタオルを併用して湿度を確保しましょう。

食生活にも注目が必要です。体内の水分バランスを保つために、1日を通じて十分な水分を摂取することが大切です。また、ビタミンAやビタミンEを含む食品を積極的に取り入れることで、粘膜の健康をサポートできます。

医療機関での治療が必要なケース

症状が改善しない場合や、痛みや出血が頻発する場合は、耳鼻科を受診することが推奨されます。医師は、鼻の状態を診察し、原因に応じた適切な治療を提案します。特定の疾患が原因の場合、その治療が優先されます。例えば、アレルギー性鼻炎が関与している場合は抗アレルギー薬が用いられ、副鼻腔炎であれば抗菌薬が処方されます。

季節や環境に応じたドライノーズ対策

季節性の影響が大きいドライノーズは、特に冬場や乾燥した環境で注意が必要です。マスクの着用は外気からの乾燥を防ぐだけでなく、温かい空気を吸い込むことで粘膜を守る効果があります。外出時には必ずマスクを携帯し、室内では定期的に鼻を洗浄する習慣をつけると良いでしょう。鼻洗浄には、市販の生理食塩水や専用の鼻洗浄液を使用することで、粘膜を清潔かつ潤った状態に保つことができます。

ドライノーズだと思ったら

ドライノーズは日常生活において無視されがちな症状ですが、原因と対策を知ることで、症状を軽減し健康を保つことが可能です。空気の乾燥が主な原因である場合が多いため、室内の湿度管理や日常的なケアが重要です。また、症状が長引く場合や痛みが悪化する場合は、医療機関で適切な診断を受けましょう。

鼻に関するお悩みで、倉敷市で耳鼻科・アレルギー科をお探しでしたら「倉敷 小山耳鼻科・アレルギー科」にご相談ください。



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